その1
原稿との格闘が続いています。
あとがき(7月20日の1案)
〈石〉は生成して30年後に美術史家富井玲子の論考に取り上げられ、作品としての息を吹き返しました。私は、〈石〉を再開する論理を獲得するに至りました。〈石〉は生成時のコンセプトを纏って螺旋を描いて再生成を遂げ、機に応じて送り続けられてきました。
〈石〉は、自然石、針金、荷札(切手と消印を含む)の3つの要素でできています。〈石〉は巻いた針金を外せばすぐに元の石に還ります。針金は錆び、荷札は劣化していきます。これまでに送付された〈石〉が今日の時点でどこにどうあるのかは、受け取られた人それぞれに属し、明らかではありません。その視点から宮沢壯佳や松沢宥が1969年の〈石〉を今日まで劣化を防いで大切に保管してこられたことを知り大感謝・感動でした。
〈石〉を送る、運ぶ、受け取るなどの手続きに直接関わられた皆様には剥き出しの石に荷札が付いた姿で驚かせ、ご迷惑をおかけしました。送付された皆様のお名前を覚書で敬称略にて公表させていただきました。その手前勝手さをお許しください。皆様に「ありがとうございました」を捧げさせていただきます。
〈石〉はNYでの展示後Misa Shin Galleryの辛美沙のもとで新たな舞台に誘われ、内外の展示施設に収蔵されました。私は描いた夢以上のことが実現し、大いに喜び、そして恐縮しています。
今日の私は〈石〉を中心に据えて、絵画、彫刻、オブジェ、パフォーマンス、Mail Art 、E-mail Art、E-Stamps、Tensegrityによる立体表現,CG・automatismなど様々な表現を随意応変に展開しています。76歳を過ぎ、アートに関わって思いのままに創作、発表、享受を楽しむ日々を過ごしており、とても幸せな心境におります。
さて、米ソ中がしのぎを削る宇宙開発は宇宙軍創設に及び、一方で世界の大富豪が巨額の代価を払って10分程度の宇宙旅行を自慢し合う時代となっています。これを人類の進歩と言えるでしょうか。私の〈石〉は誰にも与えられている想像力を駆使してそのような価値観を問い続けています。
終わりに。富井玲子なくして本書はありませんでした。出版にあたり、現代企画室に大変お世話になりました。心よりお礼申し上げます。
堀川紀夫 Horikawa Michio(2022.2)
その2
松沢宥さんの作品です。
Webで見つけました。謹んで転載させていただきます。来年2月2日から長野で大きな回顧展が開催されます。楽しみです。
その3
ニュース番組で猛暑の話題をやっていました。
この抽象的画面を縦位置にレイアウトしてPhoto Shop で書き加えでできた作品です。猛暑に触発されたCG・automatismです。ブログに掲載したのは3:46でした。
元の画面と出来上がった画面に関連があるように見えるでしょうか。
本日はこれにて。