Art Site Horikawa-II

徒然なる思いも含め書く事を積み上げ、アートの発想、構想力を鍛える。

皐月-517

その1

ワイフが育てているパッションフルーツの花が咲きました。早朝は蕾状だったのですがお昼近く(11時頃)に咲きました。造化の神のなせる不思議な形、複雑で可憐、形容し難い美しさを持つ花です。

3時頃に雄蕊部分から花粉が出てきたので受粉させたそうです。

 

Webより

トケイソウ属に分類されるパッションフルーツは、トケイソウ独特のを咲かせます。 トケイソウ独特の細かい毛のような部分は副花冠と呼ばれるものです。 パッションフルーツを始めとしたトケイソウは1日と呼ばれ、の寿命が1日しかありません。 パッションフルーツは大体お昼前頃から開花が始まり、夜には萎れてしまいます。

 

受粉させて、一夜開けた朝の姿です。紫の濃さとひげのところが変わったように見えます。受粉が成功したかまだ判断できません。

開花後24時間(13時)過ぎた姿です。

 

その2

ロシアによるウクライナ侵攻から間も無く3ヶ月。ウクライナでは殺人と破壊の終わりなきゲームが続いている。ロシアにも被害があり沢山の兵士が死んでいる。ロシアを慮るふざけたような書き方をしたがこの戦争を人ごとと受け止めて高見の見物をしているわけではない。どのようにこの戦争を受け止め、意味もなく簡単に殺される人々を見て、精神の平静を保ち、日本のあり方を考え、自分の本分であるアート表現につなげていくか考えてたいわけである。

この世のアーティストが戦争を解決することはできない。アートは社会の中で成立し、戦争について賛否、中立、無関係などそれぞれのフェーズから人の心に訴えている。この戦争とアートについての論議を簡単に結論を導くことはできないが、私はアートは平和のなかで創造され享受されてこそ意味を増すものと考えている。

 

この高度な文明社会、情報化社会の中、世界の人々はウクライナの殺戮と破壊を目の当たりにし心は混沌の状態である。

40年前に出会った、レオナルド・ダ・ヴィンチの言葉を読み直す。

混沌や無秩序の中から創意に赴くために。万分の1ほどしか理解していないレオナルド・ダビンチの言葉を手がかりに、自分を見つめてみたい。

 

最初の出会い

 

講談社 現代美術の思想 1972

実家で見つけた本

絵画論 世界大思想全集 レオナルド・ダ・ヴィンチ絵画論 河出書房新社 昭和36年

杉田益次郎訳

 

昨年新しく手に入れた。

レオナルド・ダ・ヴィンチの手記(上)岩波文庫 杉浦明平訳 1954年

その3

作品集出版に取り組んでいます。

出版の遅れの過程にウクライナ侵攻となり、後書きを一部書き直しました。最終案ができましたが、あと数日読んで熟読玩味、反芻し校正します。

 

 

おわりに

 

《石を送るメール・アート》は生成30年後に美術史家富井玲子の論考に取り上げられ、作品としての息を吹き返しました。私は、《石》を再開する論理を獲得するに至りました。《石》は生成時のコンセプトを纏って螺旋を描いて再生成を遂げ、機に応じて送り続けられてきました。

 

 《石》は、自然石、針金、荷札(切手と消印を含む)の3つの要素でできています。巻かれた針金を外せば《石》は直ちに元の石に還ります。針金は錆び、荷札は劣化していきます。これまでに送付された《石》が今日の時点でどこにどうあるのかは、受け取られた人それぞれに属し、明らかではありません。その視点から宮沢壯佳や松沢宥が1969年の《石》を今日まで劣化を防いで大切に保管してこられたことを知り大感謝・感動でした。

 

 《石》を送る、運ぶ、受け取るなどの手続きに直接関わられた皆様には剥き出しの石に荷札が付いた姿で驚かせ、ご迷惑をおかけしました。送付された皆様のお名前を覚書で敬称略にて公表させていただきました。その手前勝手さをお許しください。

 

 《石》はNYでの展示後Misa Shin Gallery辛美沙のもとで新たな舞台に誘われ、内外の展示施設に収蔵されました。私は描いた夢以上のことが実現し、大いに喜び、そして恐縮しています。

 

 今日の私は《石》を中心に据えて、絵画、彫刻、オブジェ、パフォーマンス、メール・アート、E-メール・アート、E-Stamps、Tensegrity(テンセグリティ)による立体表現,CGオートマティズムなど様々な表現を随意応変に展開しています。76歳を過ぎ、アートに関わって思いのままに創作、発表、享受を楽しむ日々を過ごし、とても幸せな心境におります。

 

 さて、宇宙開発は平和目的から宇宙軍創設に及んでスパイやミサイル監視の衛星技術を競い合い、一方で大富豪が巨額の代価を払って10分程度の宇宙旅行を自慢し合う時代となっています。これを人類の進歩と言えるでしょうか。

(本稿を書き終えた後の2月24日に露によるウクライナ侵攻が始まりました。今日の高度な文明社会において想像を絶する殺戮と破壊の戦争が現在進行しています。国際社会が不安定化し、グローバルに協調して達成しようとしているSDGsなどが全く蔑ろにされ、戦火の拡大が危惧されています。)

アートは平和のなかで創造され享受されてこそ意味を増すものです。私の《石》は誰にも与えられている想像力を働かせることで、世界平和、人類の進歩につながる価値観を希求し続けます。

 

 本書は私の初めての作品集です。富井玲子のバイリンガルによる3つの論文をいただいて本書を世に出すことができ、《石》をグローバルに刻印することができたと考えています。本書をこれまで私を支えてくれた家族、友人、知人、関係者全ての皆様に捧げます。出版にあたり、現代企画室にお世話いただきました。心より感謝申しあげます。

 

堀川紀夫(2022.5)

 

 

本日はこれにて。