その1
広島被爆樹を世界に植えるプロジェクトのTreeProjectの柿の木の話題です。まだお会いしていませんが広島の樹木医堀口力さんが「被爆樹」の種、苗を育てて提供してくださっている方です。
先日、堀口さんのFBに堀口さんの活動を紹介する新聞記事が載りました。謹んで転載させていただきます。
我が家に2009年のBlue Sky Project国際美術展の出品作としてNY在住の砂入博史さんから送っていただいたTree Projectによる柿の種が芽を出し地に植えられ育っています。Tree Projectは堀口さんとの協働プロジェクトで同時にセンダンとアオギリの種も頂いたのですが発芽せず、柿だけが芽を出してくれました。
今年で発芽より13年目に入っています。樹高は300cmを超えて雪の中でも堂々としています。ここまで育てばもう大丈夫です。今後共にその成長を見守り続けていきます。
その2
地下水への感謝。地下水を汲み上げて、道路、軒下、玄関前のスペースに規則的に穴を開けたホースを張り巡らし、降雪に臨機応変に作動させています。
その3
かなり厳しい寒波です。寒波よ去れ!!
その4
10年前のギャラリー湯山1号を読み直しました。あれからもう10年経っていました。この気持ちを忘れずにSNOWARTに取り組んでいます。
後衛主義のこと
今年(2012)の2月に松代の農舞台で前山忠さんと一緒に総務省関係の方からのインタビューを受けた。その際に話した内容を思い出しつつ最近の自分の活動に対する考え方を記しておきたい。
以下は担当者から確認のために送られて来た私のコメントです。
■堀川 紀夫 氏
大地の芸術祭に関わるようになって発想の転換が起こりました。今までの筋書きとは違う文脈のアートのあり方を考えるようになり、作品のコンセプトも変わってきました。新たな考え方を自分なりに取り寄せていく作業を行うことで新しい展開で作品を構想することができ、「これで自分自身のアートの寿命もつながった」という気持ちになりました。今ではアーティストだけの自己満足ではやりたくないと思うようになっており、嫌われがちな雪を利用して橇を題材にした作品をつくり、地元の人を巻き込んだイベントを運営するなど、住民参加型のワークショップを通じて地域と芸術祭を繋いでいます。
このコメントで後半の内容に関わって、作家としての前衛主義や自己中心主義ではなく「後衛主義」を重視していると話した。この考え方は作家と作品を増産してアピールする「ドーダ主義」ではなく精選と抑制、受容や贈与による自己錬磨を旨とするものです。今は他の作家の表現のことは適度なスタンスをもって十分に理解できます。またこの世の沢山の作家のコンセプトが透けて見え、良い意味で感心、感動する例は少なくなりました。今、関心を持っているのは、美術表現に自己同一性を求めている方々が沢山いること。それらの皆さんと支援的に関わる表現活動をし、自己啓発の場所としたいという思いです。
このことは2006年に開催を提唱し5年連続5回実施したBlue Sky Project国際美術展と昨年の3.11東日本大震災や翌日の長野県境地震等の復興支援チャリティ展の県下縦断5回開催の取組みを終えてより一層強く実感していることです。このギャラリー湯山に関わる思いも同様です。 堀川紀夫