2013年から制作の始まった眼鏡型オブジェ作品の記録集を作成しています。テキストがほぼできたので掲載します。
この眼鏡はクリスマスパーティ関連のおもちゃから作りました。これをモデルに大型化を図りました。
メガネ・プロジェクト(Glasses Project) 覚書
▶︎ギャラリー湯山(2013)での個展の出品にMarcelDuchampの「自転車の車輪」100周年に因みそのレプリカを自作した。その過程で、Duchampが車輪だけを選び、他は捨てたという当たり前のことに気づいた。そして、Duchampがタイヤやチューブを捨てる際にその円形フレームを眼鏡に目の前の世界を見たであろうという仮説を見付け、最初作ったのはタイヤとチューブによる眼鏡型オブジェだった。
▶︎言うまでもないことだが人間の眼は一方向に向いており、視界は有限で眼と反対側を見る事は出来ない。前を見ている時は後ろを見ることはできない。
▶︎そんな視覚の一方向性と双方向性について眼鏡をモデルに考察し眼鏡型の作品をつくって来た。そして大地の芸術祭のSNOWARTで大型の眼鏡型オブジェをつくる機会を2回いただいた。
▶︎眼鏡型作品の最初のタイトルは「Duchampの眼鏡」、「空(そら)眼鏡」、「眼鏡のエチュード」、そして「Glasses Project」(2018)となった。その歩みをまとめて次なる展開に資したい。
あとがき
眼鏡型オブジェを作って5年以上の歳月が過ぎた。大型作品は現場で組み立てる方式で設計してあり、新たな機会を得て再組み立てしてみたいと考えている。作品のコンセプトは人間にとって普遍的なものであり、古びるものではない。
2014年コメント
大きな眼鏡型彫刻を制作。そのレンズ部分の瞳の位置に自転車のタイヤを吊るし、そこから「自転車の車輪」のレプリカのある雪の風景を見る装置。タイヤは、そよ風に揺らぎ、移ろう世界を演出する。
2018年コメント
眼鏡型オブジェの2つの穴の一つはフレームだけで空(から)眼鏡。人間がくぐって通り抜ける事が出来る。もう一つの眼の虹彩部に当たる中心にドーナッツ型に加工した鏡を設置している。瞳孔の部分はくり抜かれ、作品に対面する人は自分の姿の写る丸い鏡にくり抜かれた穴から世界を眺める。
大型作品のサイズ
(1)高さ180cm、横幅 400cm、縦幅 400cm
(2)木材は市販の180cm×90cmの合板
(3)鏡はアクリル鏡 直径100cm 厚さ3mm(2018)
眼鏡型オブジェ作品の発表歴
堀川紀夫個展2013.6~8 (十日町市松之山湯山ギャラリー湯山) 3 ~6p
SNOWART2014.3(十日町市まつだい農舞台) 7 ~12p
堀川紀夫の現在 個展2014.6(柏崎市遊文舎) 13~14p
サイトと野性展2014.9~11(十日町市まつだい農舞台) 15~17p
第16回城下町高田花ロード2014.10(上越市高田駅前) 18~19p
SNOWART2018.3(十日町市室野―奴奈川キャンバス) 20~34p
著者 堀川紀夫 HORIKAWA Michio
発行者 堀川紀夫
発行日 2020.2.26
発行所 Baku出版社