Art Site Horikawa-II

徒然なる思いも含め書く事を積み上げ、アートの発想、構想力を鍛える。

Horikawa Works-1

1968.3 新潟大学の卒業式でのスナップ。大学を卒業するにあたり親から初めてオーダーメイドのスーツをつくってもらいました。年齢は22歳、さすがに若いです。
Commemorative photo at the graduation ceremony of the university.

このスーツのメーカーは高田市の本町2丁目にあった吉勝洋服店でした。その洋服店に発注し、キャンバス地で同じスーツの型紙を用いてくってもらった作品です。実際のスーツの代替物としての着れないスーツです。スーツのオブジェです。私が初めてつくった発注芸術で、現代美術としての第1号に位置づいています。
当初のタイトルは、オリジナルと代替物=記号の関係をうまく言葉にできずに「例えば あなたの恋人に」というシュールなオブジェのようなものでハンガーにかけて4月の大島画廊でのGUN展に展示しました。その際に、赤塚行雄さんから「作品の関係式を立て直す必要がある」というコメントをもらいました。8月の糸魚川市展(公開審査)に出品した際には、審査員の大岡信さんより「作品のタイトルから、意味が伝わってこない」と言われたので「スーツと同じ型紙でつくったもの」と説明すると、「そのような話は面白い」と返されたように記憶しています。その後しばらくして、オリジナルなスーツから作品を生成させた関係性そのものをストレートに意味することが重要であることに気付いて、タイトルを教員採用の辞令が発せられた日付にちなみ「日記ー出発 1968.4.1」と改変しました。私の社会人としての出発をシンボライズした記念碑的な作品である事をそのままタイトルにしたわけです。余談ですが、この作品をつくった卒業の頃の体重は65kgくらいでした。今は85kgを超えています。その頃は作品を着る事も出来ましたが、今は無理です。