Art Site Horikawa-II

徒然なる思いも含め書く事を積み上げ、アートの発想、構想力を鍛える。

小林五空展に寄せて

ギャラリー湯山で小林五空展が好評開催中です。土日祝の開催です。皆さん是非松之山まで足を伸ばして下さい。


長さ900cmの作品

圧倒的な迫力です。

 展覧会のパンフレットにコメントを書かせていただきました。
小林五空展に寄せて
会場の煤けた壁・空間と本展のキャッチコピー「一軒丸ごと墨パワー」は順接・共鳴する関係。テーマは「生」と「命」で一階の主役は絵画、二階は書。隙間なく展示され、絵画も書も見る者を圧倒する文句無しの大作である。
 小林さんは書家の生まれで書道科に学ばれ、書を教えてこられた由緒ある書の人。されど心は書だけにあらず。若くしてアートへの越境を繰り返す。また般若心経を書き続けることを日課に気力を鍛錬。そして何時の日からか墨に五彩ありのパレットを駆使する両刀使いとなって、書家の書にあらず、画家の絵にあらずの変幻自在なアーチストへ飛翔。
 一階には縦1.6m長さ9mのロールキャンバスにトルネードあるいは龍がのたうつ2点のパノラマ絵画。二階には50m巻のパフォーマンス用紙に「命」の一文字を草書と行書で筆勢をほとばしらせた大書の七変化。一階と二階を行交って大絵画から大書へ大書から大絵画へ絡み合い響き合う墨の叙情劇が演じられている。
 メタ・アートの視点からは身体の限界に挑む大筆による書。そしてモダンテクニックとモノプリントの合わせ技によるキャンバスの限界に挑む絵画である。そこに不定形が乱舞する墨象表現主義と言うべき宇宙が生成している。

 (美術家 堀川紀夫)