Art Site Horikawa-II

徒然なる思いも含め書く事を積み上げ、アートの発想、構想力を鍛える。

大地の芸術祭2015-1

今夏の大地の芸術祭の概要発表がありました。20日新潟日報より掲載。

この開催概要発表についてテレビでも報道されました。その映像に、2011.3.11の翌日の3.12の長野県北部地震で起きた津南町の土砂崩れの形状を黄色のポールでなぞって示した作品例がありました。その表現の狙いは「災害を忘れない」という事だそうです。何らひねりやたとえもない直接的な表現と言えます。アート的方法による教訓や警告が作品を構成する内容で、面白いアート作品ではありません。それは第一回大地の芸術祭で過去の信濃川の形状を黄色のポールで示した磯辺行久さんと同じ表現手法ですので磯辺さんの作品と思われます。
 この作品例に関連したと思われる新聞記事の見出しがありました。その「災害現場で災害表現」とあるのに関心を持ちました。このようなことばの組み立てを援用していろいろな表現の種類、ひいては表現の可能性を考察する事が可能です。
この場合「現場」と「表現」は別で違う世界である事が前庭になっての意味構築です。この場合再現、代理物によって示すという意味でしょう。

覚え書き
災害現場で災害表現
事故現場で事故表現(事故の過程、色々な結びつきを説明的再現)
殺人現場で殺人表現(同上)

アート現場でアート表現
撮影現場で撮影表現
絵画現場で絵画表現
彫刻現場で彫刻表現
愛情現場で愛情表現
雪原現場で雪原表現
雪の現場で雪の表現
これらのいずれにしても「現場」と「表現」との差異、乖離ずれなど押さえておかければならない意味生成の要素が沢山あります。それらを洗い出して「単離」「ピークシフト」を生成させなければなりません。

今夏のギャラリー湯山では
私達は「雪アート」をコンセプトとする作品群を出品します。
夏の現場で冬の表現
雪のない現場で雪のない表現

何れにしてもギャラリー湯山の夏に雪はありません。
冬の雪アートの現場で冬の雪アート表現があり、それを伝える記録的、再現的な表現があります。
その他、夏アートに雪アートをどう持ち込むのか、その「表現」の文脈が問われます。
今日は自分でうまく整理できていない問題を書いてしまいました。
とりあえず。