Art Site Horikawa-II

徒然なる思いも含め書く事を積み上げ、アートの発想、構想力を鍛える。

個展に向けての覚え書き第一稿

グルグルハウス個展に寄せて覚え書き(第一稿)を作成しました。
会期は7月2日(日)〜8月20日(日)

グルグルハウスのオフィシャルブログ
http://gurutaka.exblog.jp/

覚え書き第一稿
 わが家からグルグルハウスへは253号線を通って十日町市となった松代から門出を経由でおよそ55km。そこで個展をさせていただくことになった。主宰の今井伸治さんが埼玉よりこの地にアート活動の可能性を見出して赴かれて8年。これまで質の高い展覧会を連続して企画、また古民家の改造・活用を数多く実現。そのことで発信と交流の場を生起させ、地域おこしそのものの中核となられている。その心意気に強く心を動かされたわけである。

 私こと 2015年より「様々な意味生成」というキャッチフレーズを掲げて個展をして来ているが、その前提に2013年のギャラリー湯山での個展とそこで翌年に企画させていただいた「サイトと野性」展がある。
前者では会場の古民家がかつて「和泉屋」という屋号だった事から「泉」を取り出し、それをDの「泉」にリンクさせて意味を構築して行った。屋根裏にぶら下がっていた煤まみれの鳥かごが「なぜくしゃみをしない」にリンクした。
 Dの鳥かごに入れられた選ばれたオブジェに「コウイカの骨」がある。Dは骨をどこから手に入れて来たか。などの発想から、魚屋でコウイカを買い入れ骨を取り出して身は乾燥させてスルメにした。なぜかコウイカのスルメは市場に出回ってはいない。つくってみたら硬めになり食べにくい難点があるがこの上なく美味に仕上がった。天下の珍味の一つと宣言しておきたい。コウイカのスルメは最近の私のヒット作である。
現代美術の難解な言説から逸脱したダジャレ、言葉遊び、連想的なアプローチでも考え・意味が出来れば前へ歩む事が出来る。「サイトと野性」展でも沢山の意味生成の引き出しをつくる事が出来た。
 新潟現代美術集団GUNの結成に加わって始めた作家活動が今年で50年に至っている。最近夢中になって取組んでいるのがTensegrityである。この原理を1960年代に発見し展開して来たのは米国のケネス・スネルソンとバックミンスター・フーラーである。私は2015年の夏の雪アートで雪を形象化する六角形の立体をつくろうとして1970年に大阪万博で見たスネルソンの作例を記憶から想起し、今日のWeb学問でその原理をほぼマスターすることができた。私は金属のポールやワイヤーを使わずに丸棒、竹串に丸ゴム、輪ゴムなどを使う。これによる大型作品を中心に幾つかのシリーズを展示する予定である。

 デリダによれば「テクストの外などというものは存在しない」である。アートは色、形、もの(材料)によるテクストである。テクストは書かれる言葉となる。言葉は意味である。取るにたらないものにも意味がある。齢が70を超えた。平均余命まであと10年。その余命の充実につながる意味ある50年の節目としたい。

2017.03.17