昨夜の日曜美術館(再)で1987年に軽井沢高輪美術館の「趣味の社会への平手打ち」展で初めて見た岡崎乾二郎さんの番組を見た。その時の出品作品はレリーフ状のもので支持体も軽い感じで、 なんじゃこれは と思いました。すんなりと受け止め得なかったのは硬直的思考、浅学非才に尽きるわけですが、構造が同じで色違いの10個あまりの作品のタイトルが同じ「あかさかみつけ」とあったことで混乱しました。隠喩などがあるのか、どのように作品の意味的な入り口に入ったら良いか見つけることができなかった次第です。そのことが記憶の奥深くに刻印されていました。
Webより
番組の女子アナの解説によると、そのシリーズは「たてもののきもち」というタイトルに括られるということでした。「うぐいすだに」という作例もありました。「たてもののきもち」という表記は漢字かもしれませんがひらかなにしています。
その作品を分節すると「絵画」「彫刻」「建築」の要素があり、それらが一体化され、そのどれでもない新鮮な構築物に生成しています。当時の思想状況を的確に反映している作品とタイムリーに評価されたというわけです。
その後の岡崎さんが展開されたペインティングナイフで絵の具を盛り付けた厚塗り絵画は絵画であり、難解とは感じませんでした。絵画として自分の感性、教養で十分に解釈し、楽しむ部分は楽しむことができたと思います。
何れにしても今回の日曜美術館で、岡崎さんの初期作品に対する30年以上前からの頭の痞えが取れたようです。
その岡崎さんの個展
『岡崎乾二郎 視覚のカイソウ』展
が現在、豊田市美術館で開催されているとのこと。何れにしても岡崎さんの作品に付けられているタイトルは作品と順接する理解しやすい文脈ではないようです。今度見るときは、そのようなタイトルにこだわらないスタンスを大事にすることにします。
続いて、本題です。
2015年に開始したTensegrityシリーズが5年目を迎えています。この5年目のジンクスを乗り越えてその可能性を大きく開花させたいと思っています。
この写真は孫5号が昨年5月の連休に来た際のスナップ。腕に引っ掛けて遊んでいました。Tensegrity の特徴が表れているので掲載しました。
Bar 6 で長さは45cmで引っ張りゴムは特注ものです。
東京大学の川口研究室のパンフレットに拠れば「リユース型展開構造物」に入ると思われます。
この作例は数年間の室内展示は大丈夫で、軽さが売り物です。
これを基本的なモデルとして、どうオリジナルな要素を膨らませていくか。同じようなことをこれまで何回もこのブログに書いて自分を鼓舞していますが、年の初めに改めてその決意を述べておきます。