昨年末からTensegrity作品で各展覧会、イベントに出品・参加して来ました。違うタイプの作品も発表をして来ましたが一年間Tensegrityで明け暮れしたと言って良いです。
そのまとめとしてTensegrityを発行する事にして発注を済ませたところです。36ページ構成で30部発行です。
今日は、その表紙と前書きと後書きを載せます。Tensegrityへの取り組みはこれからも続きます。来年にはTensegrity−3を発行する予定です。
前書き
tensegrityの原理はstrut3本以上で生成する。tensegrityを応用するアートに無限な可能性がある。
strutの本数による差異をどのように表記したら良いか考えた。そして、例えばstrut8本の作例を「tensegrity⊃strut8」とすることにした。
web上に様々な作例や論文が公開されている。しかし写真や図、動画を見てもどう組み立てるかはすぐには分からない。今年に入ってから基本タイプを操作して放射状に組替えることが出来るようになった。strutの端から3本で引っ張るねじれタイプもしばらく試行錯誤を重ねる過程で閃くものがあり、習熟する事が出来た。同時に引張りを伸縮性のない紐やロープを使用する方法も出来るようになった。
tensegrityには原理に基づく組立の順序・方法が理路整然としてある。溶接、ネジ止め、ほぞ組などの鋼材や木材の組立て方とは異質である。重量のある大型作品の場合は小型模型をつくる過程で的確な手順を見付ける事が出来た。
今年はライトバン型の自家用車で積載・運搬できるstrut300cmが最大の作例だったが。次節はもう少し規模の大きい作品を実現してみたいと考えている。
後書き
tensegrityの原理を応用・展開・追究するアートとしてオリジナリティをどう設定するかは悩ましいところである。
私はstrutの素材、形状、色彩、大きさ、本数、引張り材の素材、また単位形の組み合わせによる大型化などをオリジナリティの在り処と考えている。
tensegrityの良さは沢山ある。アートハウスおやべでの空間造形2017展のコメントで「部材で搬入。会場組み立て。展示後は短時間で解体、搬出。再組立も可能なエコ・アート」と書いた。
同じstrutでも本数や組立て方により違う作品にもなる。strutもボルトを用いてつなぐ方式にすれば大型化も容易である。次節はこのような視点を重視したい。
付記
昨年5月に発行した「Tensegrityの展開」では突張り材をロッドと表記していたが下記論文を参考にstrutを用いることにした。
参考「コズモグラフィー シナジェティクス原論 バックミンスター・フーラー著梶川泰司訳 白揚社」
Tensegrityの展開−2
発行者©堀川紀夫Horikawa Michio
発行日 (2017.12.31)