Art Site Horikawa-II

徒然なる思いも含め書く事を積み上げ、アートの発想、構想力を鍛える。

Teaselさんを迎えて−2

Teaselさんを迎えて
 
 4月末にに富井玲子さんの世界出版「荒野のラジカリズム」が発刊されました。富井さんがその著作を携えて、5月末に来日(故郷へ帰省)された期間中の6月4日に、私は東京へ出向いて富井さんに会いました。この富井さんの著作に、1960年代末から70年代末までの私たちのグループGUNとそのメンバーの堀川と前山の作品とその思想が取り上げられ論じられました。
 私は、まず富井さんにその事について大いなる感謝の気持ちを伝えました。すると富井さんから「意外な展開にとても驚いた」という話を聞きました。それは「本日の朝にTeaselさんという科学史の研究者から「あなた(堀川)の石を送るメールアートについて強い関心が在り、間もなく訪日し講演等するので出来ればその機会に堀川さんに会って話したい。その仲介役をしてくれないか」という内容でした。私は、どのようにして会うかは分からないけど相手が会って話をしたいというなら、こちらも望む所である」と話しました。
 その後、その仲介役は来日中の世話係の有賀暢迪さんに替わり、Teaselさんは10日に国立科学博物館での講演を終えて11日には北陸新幹線上越妙高駅に降り立っていました。
そして、通訳が見つからない中で堀川とTeaselは地元の二人の新聞記者をも加えて話し合い、Teaselさんは堀川宅にホームスティしました。
 この一連の人、情報、ものの織りなす関係、物語の展開、経過において、堀川の47年前に始められた「石を送るメールアート」は新たなステージを迎えることができたと考えるにいたりました。
 まず6月4日にTeaselさんからメールが発せられたことである。この日は富井さんの著作「荒野のラジカリズム」の中で、一番中心的に論じておられる松澤宥さんの「非感覚絵画の発見について簡単な報告」が初めて発せられた日であり、それが世界の中でコンセプチャルアートの創始の日となっていることです。
偶然の一致は必然の一致と言えます。Teaselさんがこの日に富井さんにメールしたことをTeaselさんをわが家に迎えた11日に改めて必然であったと受け止めました。
Teaselさんとの話し合いで、私の英語力の範囲で話そうとした意志、おおよその意味は伝わったと確信しています。
この話し合いで入る事が出来た新しいステージ、その意味世界の拡充に向けて、一夜過ぎて思い付いた月の石と地球の石を見つめ直す視点をメモしておきます。

1、ルナ・プロジェクトは成功した。
今の時点でその事を考え直してみよう。
月面に降り立ち、星条旗を立て、月面を探査し、月の石やほこり等を沢山採取した。月面の表情また青い地球、地球の出や地球の没をたのしむなど無数の写真を撮影し、それらを地球の各国に拡散した。これらのことがその後に人類の幸せ、米国民の幸せにつながったか。
総じてルナ・プロジェクトは人類世界に幸せをもたらしてくれたか。

2、月の石を採取し地球の運んで来たことで何百億円もかかったわけですが、月の石やほこりを調べて何がどのように分かったのか。


3、月の石と地球の石はどのような違いが在るのか。

4、月の石と地球の石はもともと同じ宇宙の天体であったということであり、2つに分裂しても成分なのではないのか。

5、ルナプロジェクトは人類の夢であると科学者や沢山の人々は唱えます。それは本当ですが正しい事でしょうか。

6、人類はほとんどの人が自分の利益を優先して生きています。米国は米国の利益を優先。各国も同じです。この人類のエゴイズムを人類は解決できないでいます。
人類はお互いを殺す事しか出来ない武器、銃、弾薬、爆弾を自分た、自国の利益の為に売買しています。自分以外の人々が殺されても平気な存在です。他の生き物でそのような特質は在るでしょうか。
 核爆弾が人類・地球を滅ぼすという事が分かっているのに何万発の核爆弾を持っている国同士がそれを削減する事が出来ません。持ちたがる国も沢山あります。核廃絶を唱えても一瞬の夢の話で実現等出来るわけがない現実が在ります。
何れにしても人類は気の遠くなる数える事も出来ない未来に必ず滅びてしまうことでしょう。


7、米国は2030年代に火星探査を実現させる目標を掲げています。そのお金で自国の貧しい人々を幸せにしてほしいです。
私はこの火星探査の目標に反対します。

8、私の「石を送るメールアート」の制作費は千円程度です。いろいろな展覧会に出て、また新聞や雑誌に紹介されかなり有名な作品ですが売買の対象にはなったことがありません。また今後に売買するつもりも在りません。
色々な展覧会で展示される事で、鑑賞者に「月の石と地球の石」などについて考え、想像を巡らせたいただきたいと考えています。
まだ思い付いてからの考察とその記述が不十分ですが、Teaselさんがまだ起きてこない早朝に書きました。今後、この記述を拡充して行きたいと考えています。
本日、Teaselさんを大地の芸術祭の里に案内し、「石を送るメールアート」発祥の場所である信濃川へ案内し、その後越後湯沢駅までお連れしお別れします。

2016年6月12日 堀川紀夫(Horikawa Michio)